代表取締役社長
長尾 真
いつも神姫バスグループをご利用いただき、誠にありがとうございます。
2024年1月1日、北陸地域を中心とした最大震度7の大地震が発生し、甚大な被害が生じました。この地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
さて2023年度は、5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」へ移行されて以降、「移動」を中心としたサービスを展開する当社グループの業績も大きく回復しました。
また、12月には深刻化する乗務員不足の解消を図るための処遇改善や燃料費をはじめとした物価高騰などに対処し、公共交通として持続的に安全・安心な輸送サービスを提供するため、1997年以来26年ぶりとなる一般路線バスの運賃を改定させていただきました。そして、コロナ禍に抑制してきたバス車両や不動産などへの投資再開や、インバウンド(訪日外国人観光客)需要の取り込み策、飲食店における独自ブランドでの出店など、ポストコロナを見据えた戦略を推し進め、収益確保に努めてまいりました。
新年度に当たっては、現在の中期経営計画の最終年度として、基本方針である『利益水準の回復と事業構造改革』を達成するための戦略を着実に実施してまいります。
当社グループ事業の柱であるバス事業においては、まずもって運転士不足の解消が最重要課題となります。昨年度から処遇改善や多様な働き方ができる制度設計などを進めてきたことで、その解消の道筋が見え始めてきたところではありますが、成長が見込める路線の新設や増便を実施するためにも、更なる運転士確保に努めていきたいと考えています。また環境対策として、当社グループ初となる電気バスの本格運行を開始します。
2021年に導入した水素を燃料とする燃料電池バス(FCV)に続く“地球にやさしいバス”として、サステナビリティへの取り組みも加速させます。
旅行貸切業においては、当社の真結(ゆい)ツアーで培った経験を活かした「瀬戸内周遊ツアー(YUI PRIMA OLIVIA)」を4月より催行します。
訪日外国人観光客や首都圏からのお客様をターゲットとして、新たな魅力ある観光地として瀬戸内エリアがその受け皿となるようなツアーを提供してまいります。オーバーツーリズムによる弊害の軽減と瀬戸内エリアの活性化に少しは貢献できるものと考えています。
不動産業では投資枠や投資基準に基づいた収益物権の積極的な取得、車両物販整備業では整備作業の効率化や生産性の向上、レジャーサービス業では不採算サービスエリアから撤退する一方、独自ブランドの多店舗展開を推進してまいります。
その他にも、保育・介護・農業といった生活をサポートする事業を展開し、『地域共栄・未来創成』を企業理念とする当社グループは、地域の皆様とともに発展する企業へ進化することを目指してまいります。
今後とも当社グループへのご愛顧とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2024年4月1日
代表取締役社長
長尾 真